peaceなひとびと

フラッグを掲げる人々を訪ね、暮らしぶりを拝見し、お話を伺います。

オープンでピースフルな人といえば、あの人。いつでもどこでも、「あーいいとこおったおった。紹介するわ!」「あの若い農家のにいちゃんがんばっとるで」「こんど田植えにおいで」「若狭のな畑みてやってな」・・・人とひととを繋げてばかりいる。左京区でオーガニック野菜を扱っているひとならば、きっと一度といわずお世話になっている、そう、フランク菜ッパさん!いつも人のことばっかり世話焼きしている菜ッパさんご自身の話を、たまには聞いてみたいではないですか? ということで、取材を申し込むと「GWの中日だったらたぶん暇やしな、火曜やったらミイチョのコーヒーもあるしな。おいでおいで」と気軽に引き受けてくださった。

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当日訪ねてみればすでに先客が数名。暇ではなさげ。「あーいいとこ来た来た。紹介するわ!」といつものパターンに・・・。左京区ではちらほら見かける小さくても生産者さんの顔が見えるようなお店やマーケットを南区でもやりたい、という女性に「やったらええやんええやん!“いらんモール”っていってな“イオンモール”に対抗するねん。この“I hope peace”の旗店先にかけたらな、もうそれだけで人来るから!」と頼まれてないけど早速得意技の瞬間ネーミングが炸裂。大型ショッピングモールはもういらないのでは?小さくても本当にいいものだけを集めたお店やマーケットを開いたり、買い物したりすることで、普段の暮らしを豊かに平和にしていこう。そんな私たちの気持ちを一言に込め、ピースフラッグのことも忘れず広めてくださるのでした。

火曜はミイチョさんの軒先カフェの日。この美味なる珈琲を目当てにくるお客さんも多い。

火曜はミイチョさんの軒先カフェの日。この美味なる珈琲を目当てにくるお客さんも多い。

もともと20代のころアメカジ中心の輸入品店をしていた菜ッパさん。ヴィレッジヴァンガードの小さい版のようなお店をされていた。インタビュー中にその頃からのお客さん、タヤスさんがやってきたので聞いてみると「雰囲気は今もあんまり変わってないけど、当時はもっと怪しくて(笑)店の奥からふらーっとでてきて当時誰もまだ見たことが無いような最先端のファッションやサブカルチャーを教えてくれた」のだそうだ。

当時アメカジ好きの高校生だったタヤスさんも、現在は高校生の息子さんがいらっしゃり、草木染をされている。時は流れる。

当時アメカジ好きの高校生だったタヤスさんも、現在は高校生の息子さんがいらっしゃり、草木染をされている。時は流れる。

Nonベクレル食堂やホテヴィラを経て、現在菜ッパさんと一緒に「NPO法人みんなの地球のくらしかた」を立ち上げている広海ロクロ―さんもその頃からのつきあいだ。カリフォルニアでのパーマカルチャーの影響や、40代に差し掛かったころ大企業を辞めて有機農業を始めた同世代の友人を手伝ううちに、縁あって小浜に移住し、ますます漁村や農村と繋がって、京都に直売所があったらええなと思うようになった。ある日道を歩いていたら物置小屋みたいなこの場所と出会い「フランク菜ッパ」をオープン。近所のおばあちゃんが「ニラ・バーナちょうだい」とふらりとやってきたり、「フレディ・マーキュウリ」「キャロット・キング」とロックなネーミングにもすぐさま反応があるような、このストリート感溢れる土地柄だからこそ続けてこれたという。

大好きなミュージシャンのフランク・ザッパと、ストリートでフランクに菜ッパを買える八百屋さんを掛けるこのセンス!

大好きなミュージシャンのフランク・ザッパと、ストリートでフランクに菜ッパを買える八百屋さんを掛けるこのセンス!

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なかには8時間店先でコーヒーを飲んでいった人もいたそうだ。インタビュー中の数時間も店先でコーヒーを飲んでいるだけで景色がどんどん変わる。次から次へと年齢性別国籍問わず誰かしらやってきて、十年来かの友人のように立ち話していく。ここはどこ?状態だ。

ボツワナとグラナダからの留学生に田植えの誘いをかける菜ッパさん。一年で日本語ペラペラの京大生たち。

ボツワナとグラナダからの留学生に田植えの誘いをかける菜ッパさん。一年で日本語ペラペラの京大生たち。

「20代のころは物質文明にどっぷりつかって生きてきたわけやけど、やっぱりだんだん意識変わってきて、一番大きいのは311の後やなあ、やっぱり。まわりにもこういう人間が増えてきた。だって原発動かしてまたあんなこと起こったら俺ら終わりやからね。ほんまに。大事に大事につくってきた農産物、水産物全滅やん。でもこうして左京区にも俺らが20年前に始めたような農業やったり、小さい八百屋もどんどん出てきて、若狭の野菜も置いてもらったりしてまた繋がってきてるのは本当にええことやねん。じつをいうとうちは野菜のお客さん2割ぐらいで、あとほとんどしゃべってる人やねん(笑)。でもそれでええねん。人と人がここで出会って、農家さんとこにも連れてったげたりして、あとは勝手に繋がってって。パーマカルチャーとサブカルチャーも繋げて、ロックとオーガニックも繋げて、オーガニロックや!って。ええやん。もう俺自身がロードムービーみたいな人生やからね!」

輸入雑貨店時代の名残や、今までかかわってきた人、もの、ことの片鱗がうかがわれる味わい深い壁。

輸入雑貨店時代の名残や、今までかかわってきた人、もの、ことの片鱗がうかがわれる味わい深い壁。

 

ほんとうに出てくる言葉が生き様そのものな菜ッパさん。途中で帰ろうとしていたのに結局最後までいてくれたタヤスさんが放った「インターネット以前の人間やから」という一言にうん、それ!と唸る。まさに菜ッパさんは、インターネット以前の時代から現在も、歩くWEBのような人。インターネット時代に突入しても、菜ッパさんスピリットで動けば世界平和に近づける。そう確信したインタビューなのでした。菜ッパさん、ミイチョさん、通りがかってくださったみなさん、ありがとうございました。

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フランク菜ッパ ー路地の駅ー 基本情報

主に福井県若狭小浜からのオーガニックな野菜や海産物、加工品を中心に、小さな農家さんたちが作ったり育てたりした選りすぐりの食材があつまる八百屋さん。ご近所さんから世界各国まで、やってくる人の層は幅広い。

〒606-8302 京都市左京区鞠小路一条上がるお地蔵さんの北
TEL 090-1911-5052
https://www.facebook.com/franknappa.kyoto